クラシックなパターン素材をイラストレーターで作成する方法をご紹介します。
ビクトリアンなどに代表されるクラシックなデザインはレースや装飾を多用し、芸術的、戒律的な印象を与えます。装飾は細かく幾何学的な模様を呈し、デザインするには中々難しいジャンルとも言えるでしょう。
今回はそうした複雑なクラシックデザインを簡単なパターンを使って表現してみました。
まずは装飾のパターンを作成します。
イラストレーターを起動し、上図のような楕円を描きます。楕円形ツールで楕円を描き、アンカーポイントを移動して作成します。
[回転ツール]を選択し、Altを押しながら楕円の下の部分をクリックします。(クリックした部分が回転の軸となります。)
[回転ダイアログ]が表示されますので、45°と入力し、コピーをクリックします。これで45°に回転した楕円がコピーされます。
繰り返し(Ctrl+D)を6回押します。回転コピーが繰り返され、花びらが出来ました!
続いて、上図のように花びらの中心にに正円(塗り:白)を描き、花を完成させます。できた花はグループ化しておきます。
(参考記事:花のイラストの描き方(イラストレーター))
先ほど作成した花の上にペンツールで上図のようなオブジェクトを描きます。
作成したオブジェクト(花を除く)はグループ化しておきます。
グループ化したオブジェクト(花を除く)をStep02と同じ要領で回転コピーさせます。
回転の基準点は花の中心にします。繰り返し(Ctrl+D)を2回押し、パターンを完成させます。
Step05で作成したパターンをコピーして上図のように配置し、縮小させます。
パターンの大きさが決まったら[スウォッチパネル]を開き、ドラッグします。
(参考記事:イラストレーターでチェック柄の作り方)
パターンを適用させます。
アートボードと同じ大きさの長方形を作成し、先ほどのスウォッチを適用させます。アートボード一面にパターンが適用されました。
パターンに着色します。
アートボードと同じ大きさの長方形を描き塗りを茶系(例では#490A0A)にします。
レイヤーパネルを開き、塗りと模様のレイヤーの順序を入れ替えます。
さらに、模様のレイヤーの描画モードを乗算、不透明度90%ほどに設定します。
デザインに質感を持たせるため、グランジ系の背景素材を用意します。
背景素材はグランジ系でなくても結構です。お手持ちの少しザラついた質感の素材を適用させてみて下さい。
グランジ系素材を馴染ませます。グランジ系素材のレイヤーの描画モードを比較(明)、不透明度40°くらいに設定します。
グランジ系素材と背景のパターンがうまく馴染み、ダークでクラシックな印象に変わりました。
最後に周辺がうっすらと暗いライティング効果を演出します。
長方形を描き、白黒のグラデーションを適用させます。
先ほど作成した白黒のグラデーションの描画モードをオーバーレイに変更し、不透明度45°程度にして馴染ませます。
周辺がうっすらと暗いライティング効果が演出できました。
クラシックなパターン素材が出来上がりました!
黒のグラデーションとグランジ系の素材を加えることで、クラシックの中にダーク系の要素を取り入れてみました。単色では表現できない深みと味わいがありますね。
素材を重ね、描画モードや不透明度を変更する手法は覚えておくと良いと思います。組み合わせ次第で思わぬ表現が生まれたりします。お手持ちの素材や配布素材などを利用して色々と試してみて下さい。
(関連記事:Photoshop パターンの作り方)
(関連記事:花柄背景の作り方を解説(Photoshop))
(関連記事:シームレスなパターンの作り方(フォトショップCS5))