今回は曇り空に青空を合成する方法です。
ただ晴れた空の写真を背景にするだけでは、いかにも合成といった感じで違和感が出ます。今回は曇った状態で撮影した写真と、晴れた青空の写真の色味を調整し、違和感のない合成写真を作ります。
使用する写真によって各設定が変わってきますが、まだ合成写真を作ったことがない方は、合成写真を作る第一歩としてチャレンジしてみて下さい。
今回はこの曇り空を晴れた青空の写真と合成します。
※今回はshutterstockで購入した写真を使います。
（今回使用する2つの写真はshutterstockで購入した写真です。こちらの写真を使用する際は必ず同サイトで購入し使用して下さい。）
青空の写真を最背面に配置します。
合成する写真と合わせたとき、違和感がでなそうな青空の写真を用意します。あまり真っ青な青空より、多少の雲がある方がなじみやすいです。
クイック選択ツールや自動選択ツールなどで、曇り空の選択範囲を作成します。
曇り空を選択したら、選択範囲を反転(Shift+Ctrl+I)します。これで建物が選択範囲になりました。
続いて、境界線を調整(Alt+Ctrl+R)を選択します。
選択範囲の境界線が荒いと、いかにも合成写真といった感じになります。表示モードを切り換えながら、各スライダーを動かし選択範囲を調整します。表示モードを[レイヤー上]にすると背景の青空が見えるようになります。
[不要なカラーの除去]にもチェックを入れた方が、合成する写真との境目の違和感が出にくくなります。
[出力先:レイヤーマスク]を選択したので、写真のレイヤーにマスクが追加されました。曇り空の部分が青空に表示されてます。
ただ、これでは切り抜いた画像に青空を配置した状態で、見栄えのいい合成写真ではありませんね。
選択範囲の境界線を調整しましたが、上図のようにマスクされてない部分や、余分にマスクをしてしまった部分があるときがあります。
[描画色:#000000・背景色:#ffffff]に設定。レイヤーマスクを選択し画像を拡大してマスクを修正します。描画色・背景色は「X」で切り換えると便利です。
（参考記事：Photoshopのマスクの基本的な使い方）
青空の写真の位置を合成する写真に合うように、位置を調整します。
続いて、新規トーンカーブを作成し、青空の色味を調整します。今回は空の色を少し明るくしました。
今度は曇りの写真を青空の明るさに合わせて調整します。新規トーンカーブレイヤー・自然な彩度を作成します。
トーンカーブで全体を明るくし、自然な彩度では、少し赤みがでて、建物や木々の色がはっきりしました。
青空の明るさに合わせて、色味を調整したので、明るさと建物などの色がはっきり出ました。いかにも合成といった違和感がなくなってきました。
だいぶ合成らしさがなくなってはいますが、まだ建物と合成した青空がなじんでないですね。
合成した青空の青い色が均一なので違和感があります。これをグラデーションツールで少しだけ背景の青空にグラデーションをつけます。
グラデーションツールを選択し、グラデーションを[黒から白]・[線形グラデーション]に設定。青空の新規トーンカーブレイヤーのレイヤーマスクサムネイルを選択します。
青空の一番上から、中心までドラッグ。青空の上の部分を少し暗くし、山の近くを少し明るくします。
青空の上の部分が少し暗く、山の部分近くが少し明るいグラデーションがついたので、自然な背景になりました。これでいかにも合成写真ですといった違和感はなくなりました。
違和感のない合成写真を作るには、ただ写真を合わせればできる、というものではないのでなかなか難しいですね。
マスクを使って違和感のない境目を作った後は、使用する素材に合わせてトーンカーブなどで写真の色味を調整してみて下さい。