イラストレーターに画像を配置する方法はリンク配置と埋め込み配置の2の方法があります。
配置できる画像の形式は、Photoshop(PSD)、TIFF、EPS、JPEG、などが推奨されていますが、保存方法や入稿先でも変わってきます。どちらの方法もメリット・デメリットがあるので、作成する物や入稿する印刷屋さんの目的や都合に合わせて、使用するといいと思います。
今回はリンク画像と埋め込み画像についてまとめました。ぜひ参考にして下さい。
- 目次
- 1. リンク画像・埋め込み画像とは
- 2. リンク切れとは
- 3. 画像をリンク画像にする方法
- 4. 画像を埋め込み画像にする方法
- 5. リンク画像を埋め込み画像に変更する方法
- 6. リンク画像を更新する方法
- 7. 画像を他の画像と置き換える方法
- 8. 画像の配置状況を確認する方法
- 9. ファイル保存で気をつける事とは
イラストレーターに、直接画像が配置されているのではなく、プレビューとして表示されています。画像自体の情報、保存されている位置(フォルダ)などの情報を読み取って、仮に表示している状態です。実際に画像を配置していないので、容量が軽く効率よく作業が行えます。
リンク配置した元画像を編集したときは「リンク更新」で変更内容が反映されるので、わざわざ画像を再配置する必要がありません。ただ、「リンク更新」を忘れてしまうとリンク切れを起こし、画像が表示されなかったり印刷できなくなります。
イラストレーターでリンク画像の加工は、プレビュー表示に加工している状態なので、なるべく他のソフトで加工した画像を配置した方がいいかもしれません。
イラストレーターに直接画像が配置されます。イラストレーターファイルに画像のデータも加わるので、容量が重くなると作業効率が悪くなります。
画像を直接配置しているので、リンク切れのトラブルがありません。元画像を編集しても、リンク画像のように影響はうけませんが、加工した画像を使う場合は、再配置する手間があります。
カラーモードはイラストレーターが基準になるので、CMYKのイラストレーターにRGBモードの画像を配置すると、色が変わってしまいます。カラーモードを合わせる場合は、PhotoshopでCMYKに変換してから、イラストレーターに埋め込み配置をします。2つのカラーモードは統一して使うようにします。
リンク画像は画像の位置などの情報がプレビューとして表示しています。元画像の情報が以下のように変わってしまうと「リンク先不明」となってリンク切れになります。
①Photoshopなどで画像の加工をする
②保存先を変更する
③画像ファイルのリネーム(名前の変更)
④画像ファイルの拡張子の変更
⑤ファイルの名前が長すぎたり、特殊な文字・半角カナを使用する
などをすると、リンクで配置した画像が表示されなかったり、印刷ができなくなります。
[ファイル→配置→配置ダイアログボックスを表示]、リンクで配置したい画像を選択し、リンクにチェックを入れます。
リンク画像が配置されました。画像がリンクで配置されると、画像にマウスをあてたり選択すると、画像の上に×が表示されます。レイヤーの名前は「リンクファイル」となります。
CS2以降は画像を直接[ドラッグ&ドロップ]でも配置することができます。複数の画像ファイルまとめて配置することも可能です。ただし、リンク配置のみになります。
[ファイル→配置→配置ダイアログボックスを表示]したら、埋め込みで配置したい画像を選択しリンクのチェックをはずします。
埋め込み画像が配置されました。画像が埋め込みで配置されると、画像の上に×は表示されません。レイヤーの名前は「画像」となり、リンクパネルに埋め込み画像のアイコンが表示されます。
[リンク画像を選択→パネルメニュー→画像を埋め込み]を選択します。これでリンク画像が埋め込み画像に変更されます。
一度埋め込み画像にするとリンク画像に切り換えることができません。すべての作業が終わるまではリンク画像にしておいた方がいいかもしれません。
CS2以降は[コントロールパネル→埋め込み]でも埋め込み画像に変更することができます。
リンク画像は、元画像を編集するとリンクが切れてしまいます。そのため「リンク更新ダイアログ」が表示されるようになっています。
一度保存したファイルを再度開くと、自動的に更新された状態で加工したリンク画像が配置されてます。
ファイルを使用中に元画像を加工した場合は、イラストレーターに切り換えたときに上図の「更新ダイアログ」が表示されます。
「はい」を選択すると、加工した画像がリンク画像として配置されます。
保存先を移動したり名前を変更した場合は、「置き換えダイアログ」が表示されます。[置き換え→置き換えダイアログボックスを表示]し、編集した元画像を選択します。
置き換えもリンク配置になります。保存したファイルを開くときや、ファイル使用中のどちらも同じ手順です。
配置したリンク画像・埋め込み画像も、後から他の画像に置き換える事ができます。
置き換えをする画像を選択、[リンクパネル→パネルメニュー→リンクを再設定]を選択します。
「配置ダイアログボックス」から、置き換える画像を選択し、リンクor埋め込みを設定します。
画像を置き換えると、リンク・レイヤーパネルーにも置き換えた画像が表示されます。
リンクパネルは[ウィンドウ→リンク]で表示します。
①リンク画像:画像のサムネールのみの表示。正しくリンク配置されている状態です。
②変更された画像:元画像がPhotoshopなどで加工され、更新されてない状態です。
③リンク切れの画像:元画像の保存先が変わったり、名前の変更などをしてリンク先不明となっている状態です。
④埋め込み画像:画像が埋め込み配置されている状態です。
⑤リンク情報:画像のサムネールをダブルクリックor▼をクリックして表示します。元画像の保存位置や、カラーモードなどが確認できます。
リンク画像は保存設定を間違えると、リンク切れや埋め込み画像に変更してしまいます。
[ファイル→保存]をすると、保存オプションが表示されます。リンク配置のまま保存する時は「配置した画像を含む」のチェックは入れません。
チェックを入れると自動的に埋め込み画像に変更してしまいます。埋め込み画像に変更する時も作業中に行います。
リンクで配置して保存する時は、イラストレーターファイルとリンク配置した元画像を同じフォルダに保存します。
印刷屋さんに入稿するときや、ファイルを人に渡すときは必ず元画像もセットにして渡します。