パスファインダーは簡単な図形から、複雑な図形を作り出すことができるとても便利な機能です。パスファインダーを使いこなせると、作業効率が上がるだけでなく、アイデアやデザインの幅も広がります。
パスファインダーパネルには、たくさんの機能があります。無理に一度に進めず、焦らず一つひとつの機能をじっくり理解して、パスファインダーをぜひ使いこなして下さい。
- 目次
- 1. パスファイダーとは?
- 2. パスファインダーパネルの表示の仕方と使い方
- 3. 複合シェイプとは?
- 4. 合体
- 5. 前面オブジェクトで型抜
- 6. 交差
- 7. 中マド
- 8. 分割
- 9. 刈り込み
- 10. 合流
- 11. 切り抜き
- 12. アウトライン
- 13. 背面オブジェクトで型抜き
パスファインダーとは、複数のオブジェクト(図形)を重ね、「切り取ったり、くっつけたり、くり抜いたり」と、さまざまな形のオブジェクトを作り出せる機能です。
オブジェクトの組み合わせ方で、複雑な形のオブジェクトを簡単に効率よく作り出せます。
パスファインダーパネルの表示の仕方は、[メニュー→ウィンドウ→パスファインダー]。もしくは、ショートカットキー[Shift+Ctrl+F9]です。
パスファインダーパネルの使い方は、重なり合ったオブジェクトを選択し、それぞれのボタンをクリックすればオブジェクトが合成されます。上図は例として合体をしました。
パスファインダーパネルの合成機能は10種類あります。
[形状モード]:①合体・②前面オブジェクトで型抜き・③交差・④中マド
[パスファインダー]:①分割・②刈り込み・③合流・④切り抜き・⑤アウトライン・⑥背面オブジェクトで型抜き
[拡張]は形状モードにAltキーを併用した<複合シェイプ>に使います。
パスファインダーパネルを使用すると、オブジェクトが新しく作られることになります。そのためオブジェクトの名前が変わり、グループ化されたり複合パスが作られます。
こちらもチェック!:複合パスとは?(Illustrator)
[形状モード]では、Altキーを併用して各ボタンをクリックすると、<複合シェイプ>を作る事ができます。
<複合シェイプ>とは、見た目だけの仮のオブジェクトの合成で、やり直しや編集ができ、オブジェクトの位置や大きさなどを変えることができます。最終的に良ければ拡張ボタンで拡張し、オブジェクトの合成を完了します。
[形状モード]は、編集する可能性がある場合、複合シェイプで合成すると便利です。
[パスファインダー]では複合シェイプを作ることができず、直接オブジェクトが合成されます。合成後はグループ解除かダイレクトまたはグループ選択ツールで選択すると、オブジェクトを個別に編集する事ができます。
※イラストレーター10~CS3は逆で、[形状モード]のボタンを直接クリックすると、複合シェイプが作られます。Altキーを併用すると拡張されたオブジェクトが作られます。
重なり合った複数のオブジェクトが、1つのオブジェクトにまとまります。
合体後の「塗り」「線」「スタイル」は最前面(一番上)のオブジェクトに設定していたものが適用されます。
レイヤーパネルで確認すると、3つのオブジェクトが1つのオブジェクトになり、合体したのが分かります。
※イラストレーター10~CS3では[形状エリアに追加]です。
前面のオブジェクトで、最背面(一番下)のオブジェクトを切り取ります。
隠れた部分がなくなる、と思うと分かりすいですね。
レイヤーパネルで確認すると、型抜きされた最背面のオブジェクトが残り、前面にあった2つのオブジェクトがなくなりました。
※イラストレーター10~CS3では[形状エリアから前面オブジェクトで型抜き]です。
複数のオブジェクトがすべて重なった部分が残ります。
交差後の「塗り」「線」「スタイル」は最前面のオブジェクトのものが適用されます。
レイヤーパネルで確認すると、すべてのオブジェクトが重なった部分だけが残り、1つのオブジェクトになりました。
※選択したオブジェクトの中に、重なっていないオブジェクトがあると、交差が適用できないので警告メッセージが表示されます。
※イラストレーター10~CS3では[形状エリアを交差]です。
2つのオブジェクトを重ねた時、二重なる部分がくり抜かれます。
2つ以上のオブジェクトを重ねた場合は、重なり合うオブジェクトの数が、偶数個の部分がくり抜かれます。
奇数個の部分は、最前面のオブジェクトに設定された、「塗り」「線」「スタイル」が適用されます。
なので、オブジェクトとして残るのは、奇数個に重なった部分になります。中マド後のオブジェクトは、グループ化や複合パスになります。
レイヤーパネルで確認すると、オブジェクトが切り分けられ、グループ化しているのが分かりますね。
※イラストレーター10~CS3では[重なり合う形状エリアを除外]です。
重なったオブジェクトの、パスが交差する全ての部分で切り分けられます。
前面のオブジェクトで隠れている部分は削除され、分割後のオブジェクトはグループ化されます。
レイヤーパネルで確認すると、オブジェクトが切り分けられ、グループ化しているのが分かりますね。
前面のオブジェクトで、背面のオブジェクトが切り取られます。
簡単に言うと、オブジェクトの重なる部分で切り分け、隠れた部分がなくなる、と思うと分かりやすいかもしれません。
刈り込み後は、オブジェクトの「線」がなくなります。[塗り」「スタイル」は変わらずグループ化されます。
レイヤーパネルで確認すると、オブジェクトが切り分けられ、グループ化しているのが分かりますね。
「刈り込み」と同じで、前面のオブジェクトで、背面のオブジェクトが切り取られ、[線:なし]のオブジェクトになります。
「刈り込み」との違いは、選択したオブジェクトの中に、同じ色のオブジェクトが重なっていると、同じ色のオブジェクトが合体します。
オブジェクトの重なる順番は関係なく、重なり合っていれば合体します。
同じ色のオブジェクトが離れて重なっていない場合は、別々のオブジェクトになります。
レイヤーパネルで確認すると、オブジェクトが切り分けられ、重なった同じ色のオブジェクトは合体して、グループ化しているのが分かりますね。
最前面のオブジェクトで背面のオブジェクトを切り取ります。
一番上のオブジェクトが重なる部分だけが残こる、と思うと分かりすいですね。
切り取ったオブジェクトは「刈り込み」と同じように分かれ「線:なし」のオブジェクトになります。
また、最前面のオブジェクトが、背面のオブジェクトよりはみ出すと、はみ出した部分が透明のオブジェクトとして作られます。
レイヤーパネルを確認すると、グループ化された一番下のレイヤーに、はみ出した部分の「塗り・線:なし」のオブジェクトができてます。
※パスファインダーの切り抜きはオブジェクト同士でしかできません。画像の切り抜きについてはイラストレーターで写真の切り抜きを解説を参考にして下さい。
オブジェクトの交差する部分で切り分け、パス表示にします。
パスの色は、オブジェクトの[塗り]に設定していた色で表示されます。
アウトライン後は、オープンパスになり、「塗り」「線」「スタイル」がなくなります。
※見えているラインはパスで、線ではありません。線は「線:0pt」になります。
レイヤーを確認すると、オープンパスのオブジェクトがグループ化されてます。
最背面のオブジェクトで、前面のオブジェクトを切り抜きます。
レイヤーを確認すると、切り抜かれた前面のオブジェクトがあり、背面のオブジェクトがなくなったのが分かります。
※前面のオブジェクトが背面のオブジェクトより小さく中に収まってしまうと、切り抜きができないので警告メッセージが表示されます。