Photoshopで建物の写真の歪みを補正します。
建物を撮影すると、見上げたような写真になることがあります。特に大きい建物の全体を写そうとすると、ローアングルでカメラを上に向けた状態にするので、見上げたような写真になってしまいます。見上げた状態になると、建物は上になるほどすぼまった形や、中心から外側に広がった樽型のように撮れてしまいます。
今回は、この建物の歪みを補正して、真っ直ぐ正面から見たような写真に仕上げます。
上図の写真を見ると、建物は上になるほどすぼまった形になり、左にも少し傾いています。
[フィルター→レンズ補正]でレンズ補正のダイアログを開きます。
「カスタム」のタブをクリックし、カスタム表示に切り替えたら、「グリッド」にチェックを入れ、グリッドを表示します。
※レンズ補正はカメラモデルを特定して自動補正をしますが、今回はカスタムで歪みを補正します。
グリッドを表示すると、どこがどのくらい歪んでいるのか分かりやすいので、補正がしやくなります。必要に応じて、プレビューとグリッドの表示は切り替えて下さい。
建物が上にすぼまっているので、垂直に歪んでいます。
「垂直方向の遠近補正」のスライダーを左に動かします。これで建物が真っ直ぐになりました。
建物が後ろに傾いたような状態なので、手前に起こすイメージでスライダーを動かすと分かりやすいと思います。
建物が少し右に歪んでいます。
「水平方向の遠近補正」のスライダーを左に動かします。これで右の歪みが直りました。
中心が膨らんだ、樽型のような歪みができてます。
「歪みを補正」のスライダーを右に動かします。動かしすぎると、中心がへこみすぎるので気を付けて下さい。
少し左にも傾いているので、傾きを補正します。
ダイアログの左上から2番目のアイコン「角度補正ツール」をクリックします。ものさしツールと同じように、水平のラインに沿ってドラッグします。これで、写真の傾きも補正されました。
歪みの補正ができたら「OK」をクリックして完成です。
ものさしツールについてはPhotoshopで写真の傾きを補正する方法を参考にして下さい。
「拡大・縮小」の値を小さくすると、プレビュー画面に画像が小さくなって映し出されます。これで、どのくらい歪みを補正したか分かりますね。
プレビューに表示された大きさで自動的に切り取られます。余白部分を残さないで仕上げるには「拡大・縮小」の値は100%にします。余白部分を後でトリミングする場合は値を小さくします。
余白部分は写真によっては、周りと違和感なく塗りつぶすことができます。
(参考記事:Photoshopのトリミングを詳しく解説)
(参考記事:画像の角度修正でできる空白を補う方法(PhotoshopCS5))
建物の写真の歪みを補正するこができました。
レンズ補正はあまり無理な補正をすると、違和感が出るので少しずつ様子を見ながら行ってください。補正の順番も歪み具合や被写体によっても変わってきます。
レンズ補正はカメラを特定して自動補正をしてくれますが、オンライン検索してもカメラの機種によってはない場合があります。そんな時はカスタムで歪みを補正するしかありません。また、DLした画像もカメラの情報がないとカスタムでしかできませんので、気を付けて下さい。