今回はブレンドツールの基本的な使い方をご紹介します。
ブレンドツールは2つ以上のオブジェクトの間に、均等間隔にオブジェクトを作成するツールで、色や形が連続的に変化するオブジェクトを自動的に作ります。ブレンドツールは使い方次第でさまざまな表現ができる便利な機能です。
- 目次
- 1. ブレンドツールとは?
- 2. ブレンドツールの使い方
- 3. ブレンドの作成方法
- 4. ブレンドの解除方法
- 5. ブレンドの拡張方法
- 6. ブレンド軸を置き換える方法
- 7. ブレンドオブジェクトの方向を指定する方法
- 8. ブレンド軸を反転する方法
- 9. 前後を反転する方法
「ブレンド」には、異なったものを混ぜる・一体となるという意味があります。
その言葉通り、イラストレーターのブレンドツールは、色・形違いのオブジェクトの中間に前後のオブジェクトを繋ぐように、色・形が徐々に変化するオブジェクトを作成します。また、同じ色・形のオブジェクトを均等間隔に並べるときにも使われます。
ブレンドを作成したオブジェクトの中心にはブレンド軸と呼ばれるパスが作られ、このパスを編集することもできます。
ブレンドツールで作成されたオブジェクトは、ブレンドオブジェクトと呼びます。
ブレンドの使い方は2つあります。1つは「ツールパネル」から、もう一つは「メニュー」から使う事ができ、メニューからはさらに細かい設定ができます。
ブレンドの間隔には「スムーズツール」「ステップ数」「距離」の3通りがあり、用途によって使い分けます。
例として、2つの正方形のオブジェクトの間に、4つのオブジェクトを作成します。
2つの正方形を作成し、ブレンドツールをダブルクリックします。ダイアログが表示されたら、[間隔:ステップ数・4]で設定します。オブジェクトを一つずつクリックすれば、中間に4つの正方形が作成されます。選択順にオブジェクトがブレンドされます。
こちらもチェック!:桜の花びらと桜吹雪のイラストの作り方
メニューからブレンド作成するには、先にブレンド作成するオブジェクトを選択します。[オブジェクト→ブレンド→ブレンドオプション→ダイアログを設定]して、[オブジェクト→ブレンド→作成]でブレンドを作成します。
スムーズカラーは選択したオブジェクトとオブジェクトの間に、色・形が滑らかに変化するように、自動的にオブジェクトの個数を決めて作成してくれます。
スムーズカラーで色違いの2つオブジェクトをブレンド作成すると、2つのオブジェクトの間に、たくさんのオブジェクトが繋がって、前後の色で滑らかなグデーションのようになります。色と形が違うオブジェクトで作成すると、2つの色と形が滑らかに変化したオブジェクトが作られます。中間のオブジェクトの数は、使用している色に応じて変わります。
※スムーズカラーのオブジェクトの個数は自動で作成されるので、変更することはできません。
※色・形が同じオブジェクトでブレンドした場合、オブジェクト同士の距離によって、間隔が空いたり繋がった状態でオブジェクトが作られます。
ステップ数は選択したオブジェクトとオブジェクトの中間に指定した数のオブジェクトを作成します。
ダイアログの設定[間隔:ステップ数・4]でブレンドを作成します。色違いのオブジェクトでブレンド作成すると、指定した個数で徐々に色が変化するブレンドオブジェクトが作られます。色・形が違うオブジェクトは指定した個数で徐々に色・形が変化するブレンドオブジェクトが作られます。
※数に対して、オブジェクトの中間の距離が短いと、オブジェクトが重なった状態で作られます。
距離は選択したオブジェクトとオブジェクトの間に、指定した距離の間隔でオブジェクトを作成します。[間隔:距離・30px]でブレンドを作成すると、選択したオブジェクトの間に指定した距離の間隔でオブジェクトが変化しながら作成されます。
ブレンドオブジェクトは解除をすると、元のオブジェクトに戻すことができます。
ブレンドオブジェクトを選択し、[オブジェクト→ブレンド→解除]。これでブレンド前のオブジェクトに戻ります。ブレンド作成でできたブレンド軸はそのまま残るので、ダイレクト選択ツールなどで選択して削除します。
ブレンド作成された、中間のオブジェクトはそのままでは個別に編集できません。あくまでも見かけ上のオブジェクトになります。
ブレンドオブジェクトを個別に編集するには[オブジェクト→ブレンド→拡張]します。拡張すると通常のオブジェクトになり、個別に編集できるようになります。拡張するとグループ化されているので必要に応じてグループ解除をします。
※拡張するとブレンドオブジェクトとして編集ができなくなるので気を付けて下さい。
ブレンドを作成すると、ブレンドオブジェクトの中心に「ブレンド軸」と呼ばれる直線のパスが追加され、このパスにオブジェクトが並びます。ブレンド軸は、ペンツールなどで描いたパスをブレンド軸として使用することができます。
ブレンドオブジェクトと新しいパスを選択し、[オブジェクト→ブレンド→ブレンド軸の置き換え]をします。これで新しいパスにオブジェクトが並びます。
※元のブレンド軸(パス)は削除されます。
ブレンドを作成すると、オブジェクトはアートボードのX軸(ヨコ)に対して垂直に並びます。カーブしたブレンド軸に置き換えたときでも初めは垂直に並びますが、パスに沿うように並べることができます。
[ブレンドオブジェクトを選択→ブレンドツールをダブルクリック→ダイアログ「方向:パスに沿う」]をします。これでオブジェクトがパスに沿って角度が変わります。
ブレンドオブジェクトの前後を入れ換えます。
オブジェクトを選択し、[オブジェクト→ブレンド→ブレンド軸を反転]。元となるオブジェクトの前後が入れ換わるので、中間のオブジェクトも入れ替わります。
ブレンドオブジェクトの重なる順番を入れ換えます。
ブレンドオブジェクトを選択し、[オブジェクト→ブレンド→前後を反転]。オブジェクトの並びは変わらず、オブジェクトの重なりが入れ換わります。
ブレンドツールではイラストレーターで文字を立体的に飛び出させるTipsのように立体的なインパクトあるデザインも作り出すことができます。