明るめに撮れた黒い被写体の黒色を深める補正をします。
SLや車など黒い被写体を撮影すると、見た時と違って明るく撮れてしまうことがあります。写真の主役の色がボケてしまうと、メリハリのない写真となってしまいますね。
今回はただ黒くするのではなく、被写体の艶や陰影をつぶさずに黒さを引き出す方法をご紹介します。
例として機関車の写真を補正します。
肝心の機関車の黒色が明るく撮れているため、鉄の塊といった重みが感じにくくなっています。この被写体の黒色を強調して、メリハリのある写真に仕上げます。
今回はshutterstockで購入した写真を使います。
(上記写真はshutterstockで購入した写真です。こちらの写真を使用する際は必ず同サイトで購入し使用して下さい。)
[新規調整レイヤー→レベル補正]でダイアログを表示します。
画像の暗い部分をより暗めにします。黒色を強調するため「シャドウ」のスライダーを右に動かして調整します。
やりすぎないように、画像を見ながら少しずつ動かしてください。ここで無理に黒くしようとすると、被写体の陰影も黒くつぶされてしまうので、ほどよいところで終わらせます。
シャドウでは暗くなりすぎてしまう部分を「中間調」で調整します。「中間調」のスライダーを右に動かして、被写体全体の黒さを引き締めます。ここでも暗くしすぎないように少しずつ調整します。
補正前に比べて被写体の黒が強調されました。
画像の中の黒色のみを調整します。
[新規調整レイヤー→色域指定]で[カラー:黒]を選択。黒のスライダーを右に動かしながら、ちょうど良い色合いになるように調整します。画像の黒色のみを調整できるので、より黒さを深めることができます。
プレビュー表示を100%にします。[フィルター→シャープ→スマートシャープ]でダイアログを表示し、[量:200%][半径:1.2px][除去:ぼかし(レンズ)]に設定します。
プレビューを見ながら、画像が荒くならないように少しずつ調整します。量と半径の値を大きくしずぎると、画像のエッジ部分が不自然に目立つようになるので気を付けて下さい。
画像のエッジ部分が強調されて、輪郭がくっきりしました。機関車の塗装の状態や、金属らしい重みある艶がはっきりと現れてます。
被写体の黒さが深まり重厚感ある写真に補正する事ができました。被写体の艶や陰影をつぶさずにきれいに補正ができたと思います。
黒い被写体を撮影するには、マイナスの露出補正をするときれいに撮ることができますが、被写体や背景にもよります。
もう少し明るく仕上げたい、もう少し暗く仕上げたいと、写真に物足りなさを感じるときは写真の補正はとても便利ですね。