今回はイラストレーターで作る光る竹やぶのデザインをご紹介します。
暗闇の中で竹やぶがぼんやりと光るなんとも怪しげなデザインですね。この怪しげな光の効果は透明パネルの[オーバーレイ]と[焼き込みカラー]を用いて演出しています。
いわゆるレイヤーの重ね効果というやつですね。チュートリアルを見ながら、この重ね効果がどのようにデザインに影響するのか見ながら作ってみてください。
まずはベースとなる長方形を2枚作成します。
長方形ツールでアートボードいっぱいに長方形を作成します。塗りは黄緑(#8CC63F)、線なしで。作成した長方形をCtrl+Cでコピーし、Ctrl+Fで前面にペーストします。
同じ大きさと色の長方形が2枚作成されました。
スウォッチライブラリから竹を選びます。
一番上の長方形を選択し、[スウォッチパネル(ウインドウ→スウォッチ)→スウォッチライブラリを開く→パターン→自然→自然_植物]をクリックします。
自然_植物パネルが開きますので、竹をクリックします。
長方形の塗りに竹が適用されました!
このままでも良いのですが、塗りの竹の大きさのみを大きくしてみたいと思います。
長方形を選択したまま、[オブジェクト→変形→拡大・縮小]をクリックします。
[拡大・縮小ダイアログボックス]が表示されますので、上図のように拡大・縮小に値を入れ、パターンのみにチェックを入れます。
(プレビューにチェックを入れることで拡大した竹の状態を見ることができます。プレビューを見ながら拡大・縮小の値はお好みの大きさに変更してもらっても結構です。)
(関連記事:オブジェクトの形を変えずに中のパターンだけを変形する方法 (Illustrator CS5))
長方形の大きさは変わらず、竹の大きさのみ拡大されました!
竹のパターンが適用された長方形に「オーバーレイ」を適用させます。
長方形を選択したまま、[透明パネル(ウインドウ→透明)→オーバーレイ]をクリックします。
竹のパターンの長方形に「オーバーレイ」が適用されました。
「オーバーレイ」とは重ねた色に応じて「乗算」と「スクリーン」を使い分ける効果です。背景色の色相はそのままでハイライト部分は明るく、シャドウ部分は暗くなるため、上図のような効果が得られます。
オーバーレイが適用された長方形の上に長方形ツールでもう一枚長方形を作成します。
作成した一番上の長方形に上図のように白黒のグラデーションを適用させます。
グラデーションのかかった長方形に「焼き込みカラー」を適用させます。
グラデーションのかかった長方形を選択し、[透明パネル(ウインドウ→透明)→焼き込みカラー]を選択します。不透明度は95%にしておきます。
グラデーションのかかった長方形に「焼き込みカラー」が適用されました。
「焼き込みカラー」は背景レイヤーの色相はそのまま、重ねた色を暗くして合成色に反映される効果です。
最後に文字を入れて出来上がりです!(文字は海外のフリーフォントを利用しています。)
ちょっと怪しげなデザインでしたがいかがでしたでしょうか?レイヤーの重ね効果でこのような幻想的なデザインを作成することができます。
乗算、比較、焼き込みカラー、オーバーレイなど重ね効果は様々あります。概念を理解するのはなかなか難しいので、まずは実際に色々と試してみてください。思わぬ効果ができたりして楽しいですよ。