今回はイラストレーターで抽象的なライン背景の作り方をご紹介します。このような抽象的なデザインをアブストラクトアートと呼びます。
アブストラクトアートは様々な場面で使われるデザインです。ウィンドウズの壁紙なんかが良い例ですね。抽象的で美しく、どこか神秘的な印象も持ち合わせています。
今回はオーソドックスな面とラインで構成されたアブストラクトアートを作っていきたいと思います。
まずは面を作成していきます。
ペンツールで上図のようなラインを描きます。ラインの形状は全く同じでなくても結構です。後にこれを面として組み合わせますので、お好きな形状をお書きください。
ラインの色を変更させます。
上の曲線を薄い青(#BFE3F7)、下の直線を明るい青(#3D86F9)に設定します。
続いて、[オブジェクト→ブレンド→ブレンドオプション]をクリックし、ステップ数を1,000にします。
Step01で描いた左上の図形(上下のライン)を二つ選択して、[オブジェクト→ブレンド→作成]をクリックします。
左上の二つのラインのブレンドが作成され、スムーズなカラーのオブジェクトが出来ました。
うまくブレンドが作成されない場合は[オブジェクト→ブレンド→ブレンドオプション]でスムーズカラーでOKにして再度ブレンドを作成してみて下さい。
(関連記事:イラストレーターで不透明から透明になるグラデーションの作り方)
同様に、他の三つオブジェクトもブレンドを作成します。
続けて、後の作業のため、それぞれのオブジェクトの描画モードをソフトライトにしておきます。(透明パネルを開き通常をソフトライトに変える)
作成したオブジェクトを拡大、回転、複製させてランダムに配置します。オブジェクトはアートボードからはみ出してもOKです。
配置は腕の見せ所です。それぞれのオブジェクトが美しく重なるようにうまく配置してみて下さい。
オブジェクトの境界線(ライン)に光の演出をします。
オブジェクトをすべて選択(Ctrl+A)し、[効果→スタイライズ→光彩(内側)]で光彩(内側)ダイアログを開きます。オプションで上図のように設定します。
はみだしたオブジェクトを切り取ります。
長方形ツールでアートボードと同じ大きさの長方形を作成し、コピー(Ctrl+C)をしておきます。
続けて、オブジェクトをすべて選択(Ctrl+A)し、[オブジェクト→クリッピングマスク→作成]をクリックします。
クリッピングマスクが適用され、オブジェクトがアートボードの大きさに切り抜かれました!
続けて、透明パネル(ウィンドウ→透明)で[描画モードを分離に]チェックを入れておきます。
Step09でコピーした長方形を前面にペースト(Ctrl+F)します。続けて長方形に上図のように青のグラデーションを適用させます。
長方形のグラデーションを下のオブジェクトと馴染ませます。
長方形の描画モードを[乗算]に変更し、不透明度を90%くらいに変更します。グラデーションが下のオブジェクトとうまく馴染み、デザインに深みが増しましたね。
最後にペンツールでなめらかな曲線を描きます。
デザインがのっぺりした印象の時は、ラインなどアクセントを加えることでデザインに動きを出すことができます。
最後にロゴなどを入れて完成です!
透明感のある面とラインを利用したアブストラクトアートが出来上がりました。作業工程は多く、難しい印象を持つアブストラクトアートですが、やっていることは基本の積み重ねです。
一つ一つ順を追って丁寧に作っていけば必ずできます。当ページを参考にしてぜひ作ってみて下さい。それではまた。