今回はイラストレーターの3D機能を使ってシーリングワックスのイラストの作り方をご紹介します。
シーリングワックスは封筒の封をする時に使われていますね。最近はシールにもなっています。
3Dを使ってロウの溶けた質感や立体感を出すため、一つのイラストでもいくつかのレイヤーに分けて作成します。
一見難しそうに思えるかもしれませんが、シーリングワックスのフレームさえ作ってしまえば、あとは好きなイニシャル・ イラスト(紋章)などを配置すれだけ!とっても素敵なデザインが出来上がります。
ペンツールで上図のような、熱でロウが溶けたなめらかな形をイメージした図を描いてください。形は最後に調整できるのでここで厳密に作る必要はありません。色[#B70909]・線なし
ワックスの土台の中心に上図のような正円を配置したら、[コピー(中円1)→前面ペースト(中円1コピー)]し、次の工程がしやすいようにコピーした正円のレイヤーを非表示にします。
Step02の正円とワックスの土台のレイヤーを選択したら、[パスファインダー→前面オブジェクトで型抜き]で中心を抜きます。これでワックスの輪郭ができました。
このままでは、ワックスの輪郭は平面なので3Dで立体感を出します。「効果→3D→押し出し・ベベル」で上図の設定をし、照明の位置はドラッグして調整します。
平面だったワックスの輪郭に立体感ができたので、厚みがあるようにみえてきました。
Step02で非表示にした正円のレイヤー(中円1コピー)を[コピー→前面ペースト]し、コピー元のレイヤーを非表示に戻します。
コピーしたレイヤーを[オブジェクト→パス→パスのオフセット]で上図の設定をし、一回り小さい正円(中円2)を作ります。
Step05のコピーしたレイヤー(中円コピー1)と一回り小さい正円(中円2)を選択し、Step03と同じ工程で中心を丸く抜き、ドーナツ状にします。これが内側のラインになります。
ドーナツ状の正円を3Dを使って立体感を出します。照明効果の位置はStep04の反対側(逆)に設定するので気を付けてください。
2重の細いラインが出来きました。平面の状態でも周りが立体的だったので、立体感があるように感じてましたが、3Dを使うことでより立体的になりましたね。
※Step07の2重の細いラインは説明時に見にくいので非表示にしてあります。
一番内側の正円を作ります。Step05で非表示にした正円のレイヤー(中円コピー1)を[オブジェクト→パス→パスのオフセット]で一回り小さい正円(中円2)ができました。
3Dを上図のように設定します。照明効果はStep07と同じような位置になります。
一番内側の正円にくぼんだような立体感ができました。これでだいぶ完成に近づいてきましたね。
内側から2番目のラインは3D効果を使用していないため、全体に比べて色が少し明るいので調整して周りの色と近づけます。色[#a51111]
フレームの出来上がりです。Step10で調整した色も周りに合っているので違和感がなく、立体感がはっきり出ているのでリアルになりました。
あとは、中心に好きなイラストやイニシャルを配置していけばシーリングワックスらしさがアップします。
中心に文字を配置し、上図のような3D設定をします。フォントは<Tiranti Solid Plain:1.0>を使用しました。
文字が入ると一気に高級感が出ますね。
シーリングワックスのフレームさえ完成させれば、あとは好きなイニシャルやイラストを配置するだけです。文字のフォントやイラストで感じも変わりますし、色も赤にこだわらず変えてみるのもいいですね。
ワックスの輪郭がイマイチな時は最後に調整すると全体のバランスが良くなりますよ。