Photoshopできれいに切り抜く!ふわっとした髪の毛の切り抜き方法

Photoshopで細い毛先やふわっとした髪の毛をきれいに切り抜く方法です。

今回は画像の切り抜きの中でも難しい、髪の毛の切り抜きです。Photoshopではさまざまな画像の切り抜き方法がありますが、今回使用する機能は、CS5以降の「境界線を調整」です。

CS5以下のバージョンの方も、最後に切り抜きの境界線を合成した背景となじませる方法もご紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。

Step01 切り抜く部分をざっくりと選択する

切り抜く部分をざっくりと選択する

「クイック選択ツール」や「投げなわツール」などで切り抜きする対象物をざっくりと選択します。ふわっとした髪の毛の細い部分も、上図のようにざっくりとした選択で大丈夫です。

今回はshutterstockで購入した写真を使います。
(上記写真はshutterstockで購入した写真です。こちらの写真を使用する際は必ず同サイトで購入し使用して下さい。)

Step02 境界線を調整のダイアログを表示する

境界線を調整のダイアログを表示する

選択した状態で、オプションバーの「境界線を調整」をクリック、ダイアログを表示し「表示モード」で画像の表示方法を設定します。

「表示モード」は画像の選択していない部分をどう表示するかを決めるもので、切り抜き部分と不要な背景の境界線が分かりやすいものを選択します。

今回は「黒地」を選択しました。状況に応じて切り換えて使用します。

ざっくりと選択したので、髪の毛の周りに余分な背景も選択されているのがよく分かりますね。

Step03 半径調整ツールで細かい毛先を切り抜く

半径調整ツールで細かい毛先を切り抜く

髪の毛がきれいに切り抜けるように調整します。

「半径調整ツール」を選択し、ブラシのサイズを設定します。

ざっくり選択した毛先やふわっとした髪の毛の部分を、ブラシでなぞったり塗っていきます。すると、毛先やふわっとした髪の毛だけが残り、不要な背景が塗りつぶされていきます。

「半径調整ツール」でなぞるだけで、自動的に細かい毛先が選択されます。

半径調整ツールで調整

毛先やふわっとした髪の毛がだいぶ選択されてきました。髪の毛の間や細かい部分も忘れずにブラシでなぞっていきます。

Step04 選択されている範囲を確認する

選択されている範囲を確認する

[表示モード:白地]・[半径を表示:オン]にします。

すると、調整して切り抜こうとしている範囲だけが表示されます。この表示される中に切り抜きする部分を収めます。

Step05 半径調整ツールで塗りすぎた部分を調整する

半径調整ツールで塗りすぎた部分を調整する

「半径調整ツール」で塗った部分がぼやけてたり、薄くなっているところは「半径消去ツール」に切り換えて、ブラシで塗りながら調整します。肩の洋服が薄く透けているので調整しました。

※最後にレイヤーマスクで調整することもできます。

Step06 調整ツールで調整した状態

調整ツールで調整した状態

毛先や髪の毛がきれいに選択されました。不要な背景はすべて黒く塗りつぶされていますね。

境界線を調整 表示モードレイヤー上

[表示モード:レイヤー上]に切り換えると、実際に切り抜かれる様子が見られます。

Step07 数値を設定して、切り抜く範囲を決める

数値を設定して、切り抜く範囲を決める

髪の毛の縁が白くなってます。調整ツールだけできれいに選択されない場合は各設定をします。

まずは「スマート半径」にチェックを入れます。これは髪の毛や動物の毛などふわふわして、切り抜きが難しい時に使用します。
※画像によって使わなくても、きれいにエッジが検出できる場合があります。

ここでは、「半径:6px」にして境界線を修正する幅を小さくし、「エッジをシフトに:-10%」で、選択範囲を切り抜く対象物に重なるようにしました。

値は目安です。「半径を表示」したり、[表示モード]を切り換えてプレビューを見ながら少しずつ設定してください。

プレビューで確認して良ければ、「出力先:新規レイヤー(レイヤーマスクあり)」を選択し「OK」をクリックします。

画像の条件によっては、エッジの検出で細かい設定をしてもきれいに切り抜きができないことがあります。値を大きくして、無理に切り抜こうとすると不自然にな切り抜きになるので、その場合は、後でレイヤーマスクで修正します。

完成

ふわっとした髪の毛の切り抜き方法

複雑な髪の毛の切り抜きがきれいにできました。ふわっとした細かい髪の毛がきれいに切り抜かれてますね。

新規のレイヤーにレイヤーマスクが追加され、切り抜きをしたように見せています。細かい調整が必要な場合はレイヤーマスクで調整します。
参考記事:Photoshopのマスクの基本的な使い方

Step08 レイヤーマスクで調整する

レイヤーマスクで調整する

色の濃い背景を配置してみると、切り抜いた境目に元画像の背景色が残っています。

他にも、髪の毛が透けて背景が見えたり、髪の毛の間に見える背景がモヤッとにじんだような部分もあります。

そこで消えてしまったり、消しそびれたりしている部分を、「覆い焼きツール」・「焼き込みツール」で調整します。

「覆い焼きツール」・「焼き込みツール」で調整

まずは「覆い焼きツール」で消えてしまったり、薄くなっている部分を見えるようにします。

オプションバーの[範囲:ハイライト]・[露光量:40%(目安)]を設定します。ブラシの種類とサイズも目安なので必要に応じて使い分けて下さい。

レイヤーマスクを選択し、上図の様な髪の毛が薄く背景が透けて見える部分をなぞります。すると髪の毛に被った背景が消え、本来の画像が見えてきます。

続いて、「焼き込みツール」で境界線の縁を消したり、髪の毛の間のぼやけた所もはっきりさせます。

オプションバーの[範囲:シャドウ]・[露光量:40%(目安)]を設定し、同じくなぞります。画像の境界線が馴染んで、自然な感じになります。

どちらもやり過ぎないように、[範囲:中間]に切り換えたりと、少しずつ行ってください。

特に髪の毛の艶は白く反射しているので、画像が薄くなりやすいです。簡単な部分は白黒で調整できますが、微妙な調整には「覆い焼きツール」・「焼き込みツール」が最適です。

Step09 切り抜いた画像を調整した状態

切り抜いた画像を調整した状態

切り抜いた画像の境界線がなくなって違和感がなくなりました。髪の毛のふわっとした感じも、きれいに残っています。

きれいに切り抜いたと思っても、合わせる背景によって切り抜いた画像の境界線の目立ち方が違います。合成する背景に合わせて調整して下さい。

切り抜いた画像を合成

切り抜いた画像を合成

写真と合成してみました。切り抜いた画像の境界線が、背景となじんで違和感がないと思います。

写真によって「境界線の調整」の設定が違うので、慣れるまで難しいと思いますが、髪の毛のようなふわふわした素材だけでなく、背景が複雑な素材にも使えるのでとても便利な機能です。

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